ワモンゴキブリ【昆虫図鑑wiki】
幼虫/成虫/飼育/対策
【ワモンゴキブリの基本情報】
- 分類:ゴキブリ目 – ゴキブリ科 – ゴキブリ属 – ワモンゴキブリ
- 和名:ワモンゴキブリ(輪紋蜚蠊)
- 学名:Periplaneta americana
- 体長:30mm~45mm
- 寿命:2年~3年
このページでは、ワモンゴキブリについて解説します。
ワモンゴキブリの生態①:成虫の生態/特徴
ワモンゴキブリの成虫は、30mm~45mmという比較的大きめのサイズをもち、屋内侵入性の『衛生害虫』で、雑食性のゴキブリです。亜熱帯性のゴキブリであり、日本では九州以南、大阪.名古屋.東京などの大都会に生息しています。
ワモンゴキブリ/コワモンゴキブリ/トビイロゴキブリの違い・見分け方
ワモンゴキブリ
コワモンゴキブリ
トビイロゴキブリ
ワモンゴキブリの特徴は、何と言っても前胸背板の『クリーム色の輪紋』であり、コワモンゴキブリやトビイロゴキブリのそれとは区別されます。
ワモンゴキブリの成虫画像
ワモンゴキブリは、全体的に赤みを帯びている。
前胸背板のワモン(輪紋)が特徴的。
ワモンゴキブリ雄雌の違い/見分け方
ワモンゴキブリ雄(オス)
ワモンゴキブリ雌(メス)
ワモンゴキブリの雄雌を正確に見分けるには、腹部先端の形を確認する。オスの腹部先端には尾毛があり、メスの腹部先端には突起があることから、見分けることができる。
ワモンゴキブリは体長30mm~45mmほどのやや大型のゴキブリで、暖房設備がととのった都市圏で分布が拡大している。屋外では越冬できないため、下水道や共同溝、1年中暖房の効いたビルやホテルの厨房などに生息している。
ワモンゴキブリの赤ちゃん/幼虫画像
ワモンゴキブリは初令~幼齢ではクリーム色、中令~終令では赤褐色をしている。
ワモンゴキブリ幼虫とクロゴキブリ幼虫の違い
ワモンゴキブリ終齢幼虫
クロゴキブリ終齢幼虫
ワモンゴキブリとクロゴキブリでは、どちらも中令~終齢の幼虫はほぼ同じような見た目をしており、見分けるのは難しいです。
ワモンゴキブリの幼虫は全体として赤褐色をしており、卵鞘から孵化してから成虫になるまで約6か月~12か月を要する。休眠はしないが、20℃以下では活動が鈍くなる。
ワモンゴキブリの卵/出産
ワモンゴキブリは卵生(らんせい)であり、ガマ財布のような形状の卵鞘(らんしょう)を産む。交尾をせず、単為生殖も可能です。
ワモンゴキブリの卵鞘は1袋あたり平均14個の卵が入っており、メスの成虫は4日~10日間隔で、合計50回以上も卵鞘を産むことができる。
ワモンゴキブリの飼育/繁殖方法
ワモンゴキブリは一般的に『衛生害虫』として嫌われているムシであるが、生命力が高く、飼育/繁殖は簡単です。
【ワモンゴキブリの飼育/繁殖方法】
- ①ケース:適切なサイズの飼育用プラケース
- ②床材:不要
- ③隠れ家:紙製卵トレー、樹皮、など
- ④エサ:ラビットフード、昆虫ゼリー
- ⑤温湿度管理:26℃~29℃
ワモンゴキブリの飼育①:飼育ケース
ワモンゴキブリの飼育ケースは一般的な昆虫用の飼育用ケースで十分です。サイズは30cm×30cmくらいのものを選びます。
ワモンゴキブリは壁をのぼりますので、クリアスライダーなどの脱出防止のフタが付いたケースを選びましょう。
ワモンゴキブリの飼育②:床材
ワモンゴキブリは屋内性のゴキブリなので、床材は不要です。
もし床材を使用するのであれば、クワガタムシ育成用の昆虫マット(朽木マット)や、ヤシガラマットを利用できます。
ワモンゴキブリの飼育③:隠れ家
ワモンゴキブリは夜行性のゴキブリであり、昼間は物陰に隠れて過ごしますので、ケース内に隠れ家(シェルター)を用意します。
①紙製卵トレー、②鉢底ネットを結束バンドで丸めたもの、③樹皮や木材、などが利用できます。
ワモンゴキブリの飼育④:餌(エサ)
ワモンゴキブリの餌(エサ)は、栄養バランスに優れたペット用フードが利用できます。
【ワモンゴキブリの餌(エサ)】
- ラビットフード
- ハムスターフード
- コオロギフード
- レオパフード
- など
給水用として昆虫ゼリー(プロゼリー)、または給水器を設置しましょう。ワモンゴキブリは「ラビットフード+プロゼリー」のみで飼育/繁殖できます。
ワモンゴキブリの飼育⑤:温湿度管理
ワモンゴキブリは亜熱帯性のゴキブリなので、温度管理が重要になります。湿度管理は不要です。
【ワモンゴキブリの温度管理】
- 26℃~29℃:飼育/繁殖の適温
- 20℃以下:活動が低下する。
- 7℃以下:ほぼ死滅する。
ワモンゴキブリのケースの加温には、パネルヒーターを使うのが一般的です。特に冬場は温度管理に気をつかいましょう。
ワモンゴキブリの退治/駆除方法
ワモンゴキブリの退治/駆除は、一般的な毒餌剤(ベイト剤)やくん煙剤/くん蒸剤による殺虫が有効です。
詳しくは、ゴキブリの退治/駆除対策方法のページをご覧ください。
ワモンゴキブリの突然変異について
ワモンゴキブリの突然変異種として、目が白い「white eye」が知られています。先天性の色素異常による「アルビノ」であると言われており、クロゴキブリやコオロギなどでも「ホワイトアイ」が現れます。
ワモンゴキブリの突然変異として、目が白くなる「ホワイトアイ」が知られています。とくに一生を真っ暗な炭坑内などで暮らす、ワモンゴキブリには、ホワイトアイの突然変異が起きやすいようです。
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