コワモンゴキブリ【昆虫図鑑wiki】
幼虫/分布/飼育/生息地/学名
【コワモンゴキブリの基本情報】
- 分類:ゴキブリ目 – ゴキブリ科 – ゴキブリ属 – コワモンゴキブリ
- 和名:コワモンゴキブリ(小輪紋蜚蠊)
- 学名:Periplaneta australasiae
- 体長:30mm~35mm
- 寿命:1年~2年
このページでは、コワモンゴキブリについて解説します。
コワモンゴキブリの生態①:成虫の生態/特徴
コワモンゴキブリ(小輪紋蜚蠊)は、体長30mm~35mmのゴキブリであり、サイズ的にはクロゴキブリと同じくらいです。
前胸背板のクリーム色のワモン(輪紋)が特徴的で、前翅の基部にも黄色のスジが入る。ワモンの輪郭がはっきりとしており、全体的にはこげ茶色の体色を持ちます。
コワモンゴキブリ/ワモンゴキブリ/トビイロゴキブリの違い.見分け方
コワモンゴキブリ
ワモンゴキブリ
トビイロゴキブリ
コワモンゴキブリ.ワモンゴキブリ.トビイロゴキブリの3種はいずれもPeriplaneta属(ゴキブリ属)に属し、前胸背板に斑紋があるため、見間違えやすい。
コワモンゴキブリ
ワモンゴキブリ
トビイロゴキブリ
ただし、コワモンゴキブリの輪紋はハッキリとしており、体色もこげ茶色であることからほかの2種とは区別できる。
コワモンゴキブリの成虫画像
日本でも一般的なクロゴキブリと同じくらいのサイズ感。
前翅基部のスジが特徴的です。
コワモンゴキブリの幼虫/赤ちゃん
コワモンゴキブリの初令~幼齢の赤ちゃん幼虫は、背中に白いスジが入り、クロゴキブリの幼齢幼虫とよく似ています。
初令~中令の間では、うっすらと模様が見える。
中令~終齢のコワモンゴキブリの幼虫/赤ちゃん。背中にまだら模様がはっきりとし、特徴的になります。
終齢に近いコワモンゴキブリの赤ちゃん/幼虫は、前胸背板にワモン(輪紋)が現れる。
コワモンゴキブリの分布/生息地
コワモンゴキブリの分布/生息地については、下記のとおり。
コワモンゴキブリは亜熱帯性のゴキブリ種であり、日本では、九州以南、愛知、東京など、暖房設備のある温暖な環境で局所的に分布/生息している。
九州以南の亜熱帯地域では、屋外.または屋内でよく見かけるゴキブリです。※とくに南西諸島では、クロゴキブリよりも支配的なゴキブリ種。
コワモンゴキブリの飼育/繁殖方法
コワモンゴキブリは、冬季の温度管理さえしっかりすれば、比較的簡単に飼育/繁殖することができます。
コワモンゴキブリの飼育/繁殖方法は、下記のとおり。
【コワモンゴキブリの飼育/繁殖方法】
- ①ケース:適切なサイズの飼育用プラケース
- ②床材:不要
- ③隠れ家:紙製卵トレー、樹皮、など
- ④エサ:ラビットフード、昆虫ゼリー
- ⑤温湿度管理:25℃~28℃
コワモンゴキブリの飼育①:飼育ケース
コワモンゴキブリの飼育ケースは、クワガタムシなどの昆虫育成用プラケースが使用できます。サイズは30cm×30cmほどあれば十分です。
コワモンゴキブリはツルツルとした壁でも登れるゴキブリなので、脱走防止用ネットを設置するか、脱走できる隙間のないケースを選びましょう。
コワモンゴキブリの飼育②:床材
コワモンゴキブリ飼育の床材は、昆虫マット、ヤシガラマットなどが利用できますが、「床材無し」でも問題ありません。その代わり、隠れ家となるシェルターを用意してあげましょう。
コワモンゴキブリの飼育③:隠れ家
コワモンゴキブリは夜行性のゴキブリであり、昼間は物陰に隠れて密集している傾向がある。コワモンゴキブリ飼育のための隠れ家.シェルターとしては、
- 紙製卵トレー
- 樹皮.木材.昆虫用シェルター
などが利用できる。
コワモンゴキブリの飼育④:餌(エサ)
コワモンゴキブリは自然界においては雑食性で、小昆虫や死骸、フルーツ、腐朽した植物質などを食べているが、飼育環境下では栄養バランスの優れたペットフードを利用するのが一般的です。
具体的には、下記のとおり。
メイン餌:
- ラビットフード
- ハムスターフード
- コオロギフード
- レオパフード
給水エサ:
- プロゼリー(昆虫ゼリー)
※プロゼリーは、昆虫育成用の高たんぱく.トレハロース入りの昆虫ゼリーです。(トレハロースは昆虫のエネルギー源。)
コワモンゴキブリの飼育⑤:温湿度管理
コワモンゴキブリの飼育/繁殖の適温は、17℃~20℃です。コワモンゴキブリは熱帯~亜熱帯性のゴキブリで耐寒性は低く、17℃以下で活動が低下します。
- 25℃~28℃:飼育/繁殖の適温
- 17℃以下:活動が低下する
- 5℃前後:ほぼ死滅する
ケース内の温度管理については、昆虫育成用のパネルヒーターを利用しましょう。
というワケで、コワモンゴキブリは熱帯~亜熱帯性のゴキブリであり、温度を25℃~28℃で管理すれば、比較的簡単に飼育/繁殖することができます。
参考:コワモンゴキブリの飼育環境:⇩
樹皮の裏に密集していますね。
- ケース内の通気性を保ち、湿度を与えない。(カビやダニ、コバエが発生する原因となるため。)
- 水分のある餌を与えない。(水分は、コオロギ給水器または、昆虫ゼリーを使う。)
コワモンゴキブリが飼育下で増えすぎた場合には、温度を17℃以下にすれば、活動をおさえ、繁殖を止めることができます。
コワモンゴキブリの産卵/繁殖
コワモンゴキブリは卵生(らんせい)のゴキブリであり、平均24個の卵が入った袋状の卵鞘(らんしょう)を産みます。
- 繁殖適温:25℃~28℃(17℃以上)
- 産卵間隔:10日おき
- 卵の数:卵鞘あたり約24個
- 産卵数:生涯で20~30回ほど
単純計算で、コワモンゴキブリのメスは生涯で480匹~720匹分の卵を産むことになります。
コワモンゴキブリの天敵
コワモンゴキブリの天敵は、下記のとおり。
コワモンゴキブリの天敵としては、肉食性のクモ(アシダカグモ)やムカデ、寄生バチ、アリ、ゲジゲジ、カマキリ、ヤモリ、トカゲ、ねずみ、蛇など。
多くの肉食性の昆虫.爬虫類.鳥類.などが、コワモンゴキブリを捕食する天敵となります。
とくに、ゴキブリに毒を注入して動けなくしてから、卵を産みつける「エメラルドゴキブリバチ」の動画は、かなり興味深い内容です。
しっかりとゴキブリの首筋を狙って毒を注入し、動けなくなったゴキブリの触角を千切ってゾンビ化し、巣の中まで誘導してから卵を産みつけます。
さらに、ゴキブリが穴から出られないように入口に蓋をして、中に閉じ込めてしまいます。
コワモンゴキブリは多くの卵を産みますが、自然界には天敵も多いですね。
コワモンゴキブリの寿命
コワモンゴキブリの寿命については、下記のとおりです。
- 卵鞘期間:半年~1年ほど
- 幼虫期間:半年~1年ほど
- 成虫寿命:4か月~6か月
- 合計の寿命:1年~2年ほど
気温が低いと成長も遅くなる傾向があり、幼虫期間が長くなります。
コワモンゴキブリの退治/駆除対策
コワモンゴキブリは、毒餌剤(ベイト剤)、くん煙剤/くん蒸剤、殺虫スプレーなどの、一般的なゴキブリ駆除用品で退治/駆除することができます。
詳しくは、ゴキブリの退治/駆除対策方法のページをご覧ください。
コメント